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イタリア車修理ファイル 【アーカイブ】



フィアット パンダ ヘッドライトバルブソケット接触不良により焼損 ........... 05/06/22



パンダによく見られる症状でヘッドライトが点いたり点かなかったりはもちろん、ヘッドライトOFF時にメーターパネルのヘッドライトハイポジション表示灯が勝手に点くという現象として現れる事もあります。

原因はヘッドライトバルブソケットの端子が接触不良をおこした為で大概接点部分が熱を持つことでプラスチック部分が溶け、今回は長期間だった為炭化してしまってました(写真右)。往々にしてハーネス部分までも炭化してしまいます。
元々(新車)から端子の金属材質が弱い為接触不良を起こし易いようです。
その対策として当店では精度の高い日本製のバルブソケットとハーネスの交換で対応しています(写真左)。




アルファロメオ 156 TS エンジン吹け上がり不調 ........... 05/04/12




今回はエンジンコンピュータのダイアグ診断結果と実際不良だったセンサーが異なっていた典型的な例をお話します。文章にするとなかなか判りにくいかもしれませんが、テスターがあれば簡単に原因がつかめるという訳ではない事例が非常に多いことをチョッと知って頂きたくて・・・

エンジンの吹け上がりが急激に悪くなったり直ったり、全体的に鈍い吹け上がりでモッサリしたフィーリングになることが時々あるという症状の車両でした。
結局原因はエラー診断結果にはないエアフロメータ注1の不良で現象が発生していました(上写真)。各センサー変動値からもエアフロメータ値に異常は見られず、O2センサー注2値の変動に異常が見られました。
実際のエンジンコンピュータへテスター上には反映されない誤った信号により燃焼状態が悪くなる→O2センサーの値が正常範囲から外れる→O2センサーの異常とエンジンコンピュータが誤った判断をしてしまった様です。

注1,エンジンへの吸入空気量を計測するセンサー
注2,燃焼状態をエギゾースト側で測定するセンサー、ラムダセンサー/酸素センサーともいう




フィアット パンダ スパークプラグ破損 ........... 05/01/04



加速中、特にエンジン不調になりやすいという事での入庫でした。

アイドリング時も若干の不整脈の様な振動が感じられました。結局スパークプラグの先端部のセラミック(写真の白い部分)が割れて迫り出して来てしまっていました。
純正供給されるマレリー製はときたまこの様な製品不良が発生します。価格は日本製の2倍以上するのですが...苦笑。
もちろん当店では日本製のNGK製で対応しています。




フィアット パンダ オルタネータオーバーホール ........... 05/01/04




チャージランプ(メーーターパネルのバッテリーマークの赤い警告灯)が時々点灯するという症状での入庫でした。

ご存知かと思いますが警告灯が点灯している時オルタネータ(発電機)は発電していない為、長時間持続するとバッテリーに貯めた電気まで使い切ってしまいます。
パンダはこの症状が比較的多くみられます。初期症状は短時間の警告灯点灯の場合が多く安心しがちになってしまう方もおられるようですが、急に点灯したままになったりすることがあり早目の処置が必要です。
発電しなくなってしまう原因の多くは電圧を制御しているレギュレータ、または発電流(交流)を直流に整流しているダイオードの不良が原因です。
オルタネータに関してパンダに限らず当店ではお客様の出費を抑える為、ほとんどの場合オーバーホール(下写真の丸円内のパーツは新品に交換)で対応しています。




フィアット バルケッタ 水温センサー不良 ........... 04/10/03



普段は調子良いが突然エンストしたり勝手にエンジン回転が1500rpm位まで上昇してしまう事が稀にあるという症状での入庫でした。

現象が突然、それも短時間しか出ないという事でしたので入念にエンジンマネージメントの診断を試みました。そしてロードテストを繰り返していくと瞬間的に水温センサーの抵抗値が飛んで変化する事が確認出来ました。温度に直すと90℃が60℃になるといった具合です。(メーターパネルの水温計は別の水温センサーですので現象発生時変化はありません)
瞬間的なこの位の変化ですとエンジンコンピュータテスター診断ではエラーとして記録されない事が多いですのでこんな時はひたすらテスターの抵抗値と睨めっこです。結果が見えてくれば大したことではありませんが、こんな時はともかく根気との戦いです。(苦笑)

よくあることですが新品の水温センサーは改良されたのか意図的にソケットの色が変えられていました。




アルファロメオ 155 TS タイミングベルト張力調整不良 ........... 04/10/03



別件で入庫したのですがアクセルが戻される直後にエンジンよりカタカタという異音が発生している事に気付きました。経験上タイミングベルトがたるんでいるかもしれないと思い分解して点検することにしました。

アルファのツインスパーク16V系のタイミングベルトはオートテンショナーにより自動的に調整されます。ですが調整し切れないほどのたるみが発生していました。(上図の矢印と丸穴が重なる様になるのが最適な張力です)
ベルトとテンショナーは正常でしたので推測でしかありませんが新品ベルトを組んだ際の初期セッティングに問題があったのかもしれません。前歴は不明です。

同様の異音が発生した事例でテンショナーのプーリーのプラスチックが割れていたことも数多く経験しています。共に最悪バルブ突きを起こしエンジンヘッドのオーバーホールが必要になります。必ず4万km毎以内(お車の使用方法で異なりますのでご相談ください)のタイミングベルト&テンショナー交換をお勧めします。




フィアット パンダ リアダンパーブッシュのヘタリ ........... 04/07/26



走行中、段差や不整路の上に来るとトランクあたりからコトコトという音が気になるとの事での入庫です。

これはリアショックのブッシュに亀裂とヘタリで僅かな隙間が出来た事とゴム自身も弾力性を失った事がコトコト音を大きくさせる原因でした。
右の新品との大きさを比較して頂ければおわかりになれるかと思います。ショック取付け部の構造上FFのパンダは特にこの症状が出易いです。




ランチア イプシロン スポーツブレーキローター取り付け ........... 04/07/08



プロジェクトミューのブレーキローターの取り付けです。

このローターは左右の指定があります。斜めのスリットが入っているから回転方向に逆らわない様に装着する為当たり前だと思われるでしょうが、多くのヨーロッパ製スポーツローターは2枚同じモノが供給されます。ですから片側はスリット溝が進行方向に逆らうことになり馴染むまで物凄い音と振動を発生させ驚かされることがあります。馴染んでも強く踏み込むと音と振動が出ることがあります。小さな事ですが日本製にチョッピリ感心してしまいました。




ランチア デルタ 16V アイドリングエンジン回転不安定 ........... 04/05/27




アイドリング回転が下がり過ぎたり下がらなかったり、そんな時は時折IEランプ(エンジン制御システム異常警告灯)が点灯するごとがあるという症状を抱えた車両が入庫しました。

このような場合の的確な診断を行う為には専用のランチアテスターが有効になります。だからといってテスターまかせで診断結果が出せるようなことは多くの精度の悪い部品を使用しているイタリア車には出来ません。デルタ(エボTまで)はエンジンのコンピュータが過去の不具合状況を記憶する機能を持っていない為、現象が出た時各センサーからのフィードバックしてくる値を注意深く判断する必要があります。
長期のロードテストの結果、吸気圧センサーの値が微妙に怪しい動き(経験からくる感覚的なものなので文面でうまく説明出来来ませんが)が感じられました。吸気圧センサーは2つあり結果的に今回は正圧センサー(灰色)が不良であることがわかりました。黒色の方が負圧センサーとなります。

※デルタはアイドリングが下がらないという症状が多くみられます。今回もその原因のひとつでしかありません。他の原因でこのような症状になる場合も多く存在しますのでこれからもご紹介出来ればと思います。




アルファロメオ 145 TS クーリングファンレジスター焼損 ........... 04/05/19



クーリングファンレジスタ(低速回転させる為の抵抗器)のハーネスがカプラー部で焼けてボロボロになっていました。

イタリア車のほとんどが同様のシステムを使い、同様に接触不良から熱を持ち焼けてしまう事が多々あります。もちろんクリーングファンは低速で回らなくなりクーリングシステムへのダメージが徐々に進行します。今思い出すだけでもデルタ、イプシロン、145、155、156、GTV、プント、バルケッタ、クーペフィアットなどでこの症状が多く観られます。
オーバーヒートまではいかないが水温が以前より高め、でも高めで安定しているなんて方は低速(90℃付近)でクーリングファンが回らず高速(95℃付近)でしか回っていない可能性があります。システムによっては数秒低速で回して高速へスイッチするタイプもあります。
この症状の診断は15分頂ければ出来ますのでお気軽にご相談ください。





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